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[コメント] おばあちゃんの家(2002/韓国)

富んで都会化した地域と昔ながらの地域が両方存在している国ならば、必ず何かが伝わる映画。プリミティブな世界(おばあちゃんの田舎)があってこその現代(現代っ子の少年)。なにも斬新なものがない。でもとても心温まる名作。
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 ゲームボーイに夢中な7歳の少年と、しゃべれず、文字も読めない、いまどきの子供の世界を何も知らない田舎のおばあちゃん。少年のほうは、日本でもどこにでもいる子供。ただ、おばあちゃんのほうは、日本にはもういるかどうか分からない(特に文字が読めないという点)。

 そういう意味では、いまの韓国だからこその設定といえるのだけれど、日本にも充分通じる映画であり、かつ、富んで都会化した地域と昔ながらの地域が両方存在している国ならば、必ず何かが伝わる映画。プリミティブな世界(おばあちゃんの田舎)があってこその現代(現代っ子の少年)。なにも斬新なものがない。でもとても心温まる名作。

 それにしても、イ・ジョンヒャン。デビューから、世界の違う二人のすれ違いをコミカルに描きながらその交流を暖かく見つめるような題材だが、一つ一つのシーンの「間」はいずれも見事である。ハリウッドでは、黒人と白人、アメリカ人と外国人、犯罪者と警官、といったコンビを多数描いてきたが、彼女がそういうものを撮ったら、こりゃまた独特のセンスで、いいものが見られそうだ。

 私が見たのは、ちょうど5月5日の「子供の日」と5月8日の「親の日」の間だったからか、親子連れも多かった。そう、子供も見られて、大人も楽しめる映画だというところは、大ヒットの理由の一つだろう。

(評価:★5)

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