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[コメント] チャンス!(1996/米)

普段抱いている公憤が一気に興奮へと進化し、終始痛快さに酔いしれ、友情と信頼と人の大切さを二人の名女優によって教えて貰えてなおかつ、素直に感動させてくれる素晴らしい作品。不意を突かれた面白さは、一部が作り出した社会の歪んだ閉鎖的価値観が変だから、面白くないはずがない。
ジャイアント白田

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







実力があるにもかかわらず、あるアイデアや、ある文章、作品を認めない人は絶えず存在し続ける。楽をして儲けたい、ルーティンワークだけで楽だなぁ、とか、住宅&車のローンがあるからと保守的に働く人に絶対に訪れる状態「それ」に我慢できない気持ちスッゴくよく分かりまくる。

飛び出して、仲間に支えられながら頑張る女性や男性に妬みなんか抱いてないで「飛び出せ人間!」ってメッセージが笑顔とともに画面上から飛び出したっていっても大袈裟じゃないよね。誰だって飛び出せるし、誰だって成功できるんだけど、妬みと弱虫が邪魔しちゃうテメーらの心をこの映画は癒してくれるんじゃないかな、ってかんじ。

綺麗事をサラリと面前で言うくせに、そうじゃない人って多い。それは誰でもそうとも言える。出身校、名前、出身地、そして男性か女性で決められていく幼い社会の住人たちの群像劇の登場人物な私たち。サロンだの何だのと自分たちの社会的地位をメッキで正当化し、うさんくさい言葉のやり取りだけが実力を査定してくれるといった、大変ありがたい悪人制度。それをウーピーが、ウーピーらしく、ウーピー教徒をひれ伏させる演技、あの表情豊かなウーピー様が木っ端微塵にぶちこわしていく光景は胸がスーッとする気持ち。

スコーンと一本、超ぶっとい筋を貫こうと努力しても浮かばれない世を風刺するために産まれたカティにとって、最適な死に場所が時代の流れだという事実が大変嬉しく思い、これを見る見ないにかかわらず「正当に何かを評価する能力」を日夜鍛えていかなければならないだろうと痛感する。これは女性向け啓蒙映画ではなく、全人類に向けられた宿題だと捉え、ウーピーゴールドバーグとダイアン・ウィーストのような信頼の頂点に位置する関係をリアルに築けられるよう精進していこうと誓う。

そしてなにより、ウーピー様の表情豊かな姿は優しさあっての武器やね。ウーピーラヴ!

2003/5/31

(評価:★5)

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