例えばジェームス・ボンドがガリガリ君を食べてはいけないように、ドラえもんがさすがにドラ焼きは飽きたと言ってはいけないように、どんな伏線を張るにしても、キャラクターには超えてはいけない壁があると思う。

例えば、ウエンズデーがニッコリ笑顔をするとか。

舞台がアウトドアになり、ファミリーが実社会と交じり合うことで、前回よりも現代社会に対する風刺が多くなっている。しかしそれは同時に、1993年という“社会”への風刺に留まり、1作目が持っていた「人間社会」の存在そのものに対するアンチテーゼには比べるべきも無い。マイケル・ジャクソンへの悲鳴にしろ連続殺人犯の顔写真にしろ、時代を1993年そのものに定義してしまったことで超時代性が失われ、長生きの出来ない映画になってしまった感がある。その点において、1作目は非常に上手く作られていた。

クリスティーナ・リッチ、ジョーン・キューザックはじめ、俳優陣が素晴らしい演技をしていただけに、一層残念である。

それにしてもジョエル役のデビッド・クラムホルツ･･･。最後のパーティでヒゲを生やしている姿はまんまグルーチョ・マルクスだよねえ皆さん。