もし、あなたが日常から離れた力を手に入れたらどうするだろうか？ 勿論、世界を救うだの滅ぼすだの言うのもアリだろうが、結局は 日常と言う名の大洪水に対し、いたって普通な事をするんじゃないか？ そんな当たり前の大前提が本作の魅力の地力となっている。

さて、本作の主人公はそんな普通の少女だ。 大それた夢を見るわけでもなく、かといって自らの可能性を 否定するわけでもない、何処にでも居るような少女。

そんな少女を取り巻く環境も、日常であり、 会話や携帯電話などのギミックがそれらを完全に構築し、 何処にでも有る世界を形成している。 その日常の出来がとにかくすごるぶ良い。

そんな日常と日常の中に居る少女が手に入れた「タイムリープ」 その能力によって日常が繰り返されるわけなのだが、 もし、この作品において日常がかけていなかったらそれはそれは 陳腐な映画になっていただろう、その位日常が魅力的なのだ。 その繰り返しの中で進行する話がこれまたテンポよく楽しい。

久しぶりにいい映画を見たと、映画館を出た後の残暑残る 青空を見上げながら清清しい気分を味わった。