「何のために作る？」という突っ込みは入れたくない。自分の夢のために、シューレス・ジョーの心を癒すために、ムーンライトグラハムの夢を叶えるために、親父の心を癒すために、そして野球を愛するすべての人々の心を癒すために、この野球場が存在する。いや、この映画が存在する。

映画館で流した自分の涙の理由は、謎だ。自分でも信じられないくらいに感動した。でも、理由が見あたらないのだ。強いて言えば、この映画の世界観すべてに感動したのだ。冷静になって、この映画を溺愛する自分を客観的に見ると、たいしたストーリーではないことはわかる。めちゃくちゃな男の話だけなのかもしれない。しかし、映画にちょっと近づくと、心にじんじんと響くものがあるのだ。だから、波長があったとしか言いようがない。おかしければ笑ってもいい。でも、自分はこの映画で涙を流し続けるのだ。