迷っていましたが、結局点数を下げてしまいました。減点の理由は『ギルバート・グレイプ』を見た事です。

『タイタニック』の後に見た『ギルバート・グレイプ』の衝撃は忘れられません。『タイタニック』以前にも何作か彼の作品を見ていたのですが、ここまでこの作品が彼の代表作とされている以上、この評価が大きくなってしまいます。きっとそういう方は私以外にもいると思います。本当に彼に謝りたいです。いや、彼はこんな日本の一庶民の意見なんてどうでもいい事ぐらい判ってますけど、それでも謝りたいです。

『ギルバート・グレイプ』はジョニー・デップ目当てで見ました。レオたんの事なんて気にもかけていませんでした。むしろ、『タイタニック』のせいで彼の評価は地に落ちてたので嫌いでした(ここでの彼への認識は少し演技の上手いアイドル)。しかし、彼の演じるアーニーを見た瞬間、あまりの衝撃で怯え震えました。こんな事は初めてです。アーニーを演じる彼は天才でした。そしてアーニーを見ながら、心の中で必死で謝りました。『タイタニック』なんかで彼を認識していた自分を恥じました。確かにアーニーは彼にとって最高の演技で、後にも先にもあんな神の仕業のような演技をする事はないかもしれません。でも、彼にはあんな素晴らしい才能がある訳です。

そう考えると、彼の演技力を欠片も引き出していないのに彼の代表作となってしまった『タイタニック』という作品は少し許せません。彼はただのアイドルではないのに…。でもこれで主演男優賞を獲らなかったのは不幸中の幸い。当時「アカデミー賞審査員は年配が多いから彼らが選ばれなかった」と言われていましたが、それは違います。そりゃこれじゃああげられません。

内容も内容。不安定な船の上で変にロマンスが盛り上がったってだけの話にしか見えません(吊り橋上の不安定な恐怖を性的興奮と間違えて恋愛するという心理学的な話もありますし)。女は婚約者には気がないし、そこに顔のいいウブそうな男が現われたんですもの、そりゃ捕まえたくなります。まあ、極寒の海を厚い体脂肪で生き延びられる事を証明したのは大きな功績かもしれませんが…(笑)。船が沈むところは流石でした。

彼がここまで大物になってしまった以上、もうああいう作品には出ないかもしれません。淋しいですね。ああ…またあの演技がみたいな…。今後も期待させてくれ、レオたん