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[コメント] バトル・ロワイアル(2000/日)

基本的な設定は一緒だけど、決定的に違う設定もあるという、深作版「バトル・ロワイアル」になっている。
なつめ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







教師役、キタノ(ビートたけし)の役どころがズルイ。つまり、うまい。最初から、原作を読んだ時のようなへどが出そうな人間としては見られなかった。全てが終わったあとに思い出すと、彼のセリフは彼自身に返ってきてしまうように思える。「立派な大人になりましょう」「人を嫌いになるなら覚悟して嫌え」とか。結局、彼は”憎み切れなかった”人間なんだと思う。「典子と心中したかった」んじゃなくて、彼女に殺して欲しかったんだよね。

・原作で描かれていたような、各人の性格、各人物間の過去・思い出・人間関係は、七原秋也(藤原竜也)などを除いて殆ど省かれているので、クラスメイト間で殺しあうことの、心理的葛藤はあまりクローズアップされていないと思う。

・川田章吾(山本太郎)、中川典子(前田亜季)の傷の手当てをしたあとで、ご飯を作るのがいい。山本太郎、役に合ってると思った。

・七原秋也(藤原竜也)は、戦うヒーローではない。わりと影が薄い。けど、杖をつきながら中川典子のもとへたどりついたシーンは痛々しくて良かった。

・中川典子とキタノは、たぶん、同じ夢を見ていた。傘のシーンに混乱する。ズルイと思った最初。ジャブ。

・桐山和雄(安藤政信)には、全くセリフなし。どうやら最後に一言セリフがあったのを監督に言って削ってもらったようだ。見事。

・それにしても、最後、キタノが持っていたのは水鉄砲だったというそれだけで「ウワー」と思ったのに、さらに、実は本当の拳銃だって持っていたのだというつくりが、ズルイんだよお。

そんなこんなで、みおわったら泣いてしまってた。

(評価:★3)

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