コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] アサシン(1993/米)

リメイクだろうが面白いモノは面白い。しかし・・・
sawa:38

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







恋人からバスルームのドア越しにプロポーズを受ける。だが、その声を聞きながら女は見も知らずの標的を狙撃する。この何ともいえぬ幸福と悲劇の対比。やはり素晴らしい設定は見事なのです。

但し、本作の演出で不明な点がある。いったい彼女は何に対して不安・不満を感じたのか?

死刑と引き換えに得た「生」。しかし暗殺者として生きていかねばならぬ宿命。・・・とここまでは良い。不明なのは掴み掛けている幸福が壊される不安なのか、それとも人の命を奪い続けるという宿命にたいする罪悪感なのか?

本作を鑑賞した限りでは前者のようであった。彼女はプロの暗殺者として教育されたが故、殺人に関しての感情の揺らぎというものは存在しないのだろう。

彼女が逃避した理由が自身の幸せを得る為の自己防衛だったのか、または人は人を殺さないという社会規範に目覚めたからだったのかでは本作の意味合いは大きく違ってくるではないか?

私ならば後者をストーリーに絡ませたかった。ワンシーンで構わないから冒頭で彼女が射殺した警官の遺児を登場させる等して、彼女の「葛藤」に奥行きを与えたかった。もしくは彼女に妊娠させる等の設定をさせる事で、「生と死」「誕生と殺害」という視点を加えても面白かったのではないか。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。