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[コメント] 北京の55日(1963/米)

公開から40年程経った現在では危険過ぎるキーワードがザクザクと・・・100年前の『ブラックホークダウン
sawa:38

「中国人はインディアンとは違う」:アメリカ海兵隊員が義和団員を射殺した事について軽く皮肉られる台詞。

「ナポレオンは(眠れる中国が目を覚ませば、世界は震える)と言ったわ」

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今まさに眠れる獅子「中国」が起き上がり世界の超大国へと登り詰めようとしている昨今である。本作で描かれる中国は列強各国の植民地として草刈場であった。中でも北京に軍隊を駐留させていた8カ国、アメリカ・イギリス・フランス・ロシア・ドイツ・イタリア・オーストリアそして日本。

中国の歴史でも屈辱の時代である。先の台詞でも明らかなように当時の中国人民の命は、列強各国からみれば西部劇のインディアンと同様に軽かったのは事実。この義和団事変から100年経過現在、当の中国政府が自らの人民の命と人権をインディアン同様に考えている節があるのが残念。

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日本からすると初めての先進諸外国との共同作戦であり、篭城軍での実際の軍事指揮官やら救援軍での作戦指揮やらでは主導権を握り、東洋の小国が白人列強国家に認められるきっかけともなった要因でもある。本作では 伊丹十三演じる柴中佐が世界的に勇名を馳せた。

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上記の8カ国の国名を見ていると、既に没落したオーストリアを除き、第二次大戦で死闘を演じた国々であり、また現在でも国連の中枢を担い争っている国々でもある。このような国々が連合軍を結成し、共同歩調を執るなんて現在からすると大変興味深い。戦争云々侵略云々の是非は別として、この頃の日本外交は絶頂期だったのかも知れない。

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100年経った現在とこの21世紀、中国は紛れも無く世界の超大国になるし、現在唯一の超大国であるアメリカと衝突するのは明らかだと思う。現在は直前の仮想敵国として日本叩きが中国のマイブームであるが、もうちょっと、後もう少し実力がついたならば、中国は本作の義和団事変の結果である「辛丑条約」という屈辱を必ず持ち出してくる気がする。

(評価:★3)

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