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[コメント] ホテル・ルワンダ(2004/伊=英=南アフリカ)

殺戮を目の当たりにしても無力な国連軍。これが日本のマスコミが提唱する「あるべき日本の国際貢献の姿」なのだろうか?
sawa:38

私はこの殺戮が行われていたその期間、「時々」お茶の間でTVのニュースを見た。不謹慎な言い方かも知れないが、興味を持ってニュースを見ていた。

だが、ニュースは「時々」しか伝えてくれなかった。日本のマスコミにとって、あまりにも遠い地域の出来事であり、利害関係があまりにも乏しい国の事件に過ぎなかったからだろう。この国の旧宗主国であるドイツやベルギーといった紛争の遠因を造り出した国家や、アフリカ各国に利害関係を持つ欧州各国とは自ずと関心の度合いは違いすぎた。

良識あるニュースの司会者は言う。残虐行為を非難した後、「早く平和がくる事を祈ります。」と・・・

男子学生が殴りあいの喧嘩をしている横で、「暴力反対!」と小さな声で呟き続ける学級委員のような司会者。危険を冒してまで二人の間に割って入り止めようとはしない日本。

国連が機能マヒに陥っていると言われて久しい。しかし本作は、そんな中でも国連が果たすべき役割を明確に提示してみせた。機能しない影と、機能した場合の希望を描いた。

本作は日本人にとって有意義な作品である。娯楽映画・戦争映画・サスペンス・・という作品として鑑賞・批評すれば、様々な意見が出るだろう。だが、本作は自衛隊の「使い方」に悩む日本人にとって、具体的な問題提示をしてくれただけで有意義なのではなかろうか?

自衛隊の海外での武器使用が、それほど単純な問題ではない事は承知しているが、こんな作品で「実態」を見せつけられたら日本のマスコミはどう答えるんだろう・・・

(評価:★4)

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