[コメント] 新網走番外地 吹雪のはぐれ狼(1970/日)
厭きれ果てた・・・辛くて、涙が出る・・・「天下の大スター高倉健」主演の代表シリーズ第15作。
この長期シリーズの原型は米映画『手錠のままの脱獄』の焼き直しであって、「アクション映画」だった。それがシリーズを重ねるうちに「任侠映画の現代版」に変わり、石井輝男というマニアックな監督の手によってあえてB級テイスト満載の奇作が輩出され続けた。
しかし、それはやがて「スター高倉健を魅せるだけの映画」に変質していく。
それはアリだ。それは否定しません。
しかし、本作では「スター高倉」のいったい何を見せたかったのだろう。私は本作を登録リクエストする際にあえてコメディというジャンルを入れさせてもらった。
コメディ。
登場人物たちの行動には動機がなく、ストーリーは破綻し、一本の映画としての統一感の欠片も無い本作はただのコメディ映画に過ぎなかった。とてもじゃないが「アクション映画」などとは呼べない代物だった。
降旗康男監督はいったい何を撮りたかったのだろうか?「スター高倉」のどんな一面を引き出したかったのだろうか?東映は「スター高倉」の戦略をどう描いたのだろうか?
まったくもって何も見えてこない。
戦略の間違いならまだ良い。まさかとは思うが、何も考えずにルーチンワークとしてシリーズを積み重ねていっただけなのだとしたら・・・・まさに大馬鹿野郎である。
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