[コメント] 新・悪名(1962/日)
「このシリーズに勝新太郎は必要不可欠の存在ではない」なんて感想を持ち始める一作。
『座頭市』の市はそれこそ勝新太郎でなきゃ考えられない。また数年後に始まる『兵隊やくざ』の大宮一等兵に至れば勝新太郎以外のキャストを考える事はそれこそ天にツバを吐くに等しい馬鹿げた行為だ。
だが、本シリーズの朝吉親分はどうだろう。勝新太郎の魅力ははちきれているか?確かに朝吉親分は格好良い、ヒーローである。だが、ただ単純にヒーロー=勝新太郎で満ち足りるか?という事である。
勝新太郎の持ち味は可愛らしさ・愛くるしさだと思っている。それらを前面に押し出した『兵隊やくざ』はもちろん、あの『座頭市』でさえふっと魅せるお茶目な一面がファンを魅了したのではないだろうか。
それらに較べるとこの朝吉親分は思慮深く、純情な男である。もちろん勝新太郎はそれを上手に演じているのだが、何だか彼の魅力が出し切れていない気がするのです。例えば鶴田浩二が演じる朝吉だって違和感なく映画が撮れる。そんな気がしてならないのです。
勝新太郎が好きだからこそ、何だかとても勿体無い気がするのです。
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