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[コメント] 運動靴と赤い金魚(1997/イラン)

イランでも普通にマラソン大会があることを知れてうれしかった。走るにはやっぱり靴ですよね。あれ? 何か違うぞ・・・
スパルタのキツネ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 シドニーオリンピックに、高橋選手が特注のマイシューズを50足あまり持っていったのは有名なお話です。何でも靴の技術者も同行したとか・・・。こんな例を挙げるまでもなく、一流選手にとっても、世間一般の人にとっても、シューズ(運動靴)は、走るための道具・手段であっても、目的ではないはずです。

 ところが、少年は妹のために、運動靴のために、3等賞を狙って走ります。1等賞ではないのです。転倒しても、靴が破れても、とにかく3等賞狙って走ります。しかし、ゴール間際の混戦で頑張り過ぎたがために、1等賞になってしまいました。

 この結果に私は、気の毒と思いつつも、ハンディを背負ったあの展開ではやむを得ないし、やっぱりそうなったか・・・と思いました。確かに勝負ってこんなもんかもしれない。

 しかし、悔しさに泣く少年をよそに、記念写真を撮る体育教師と教頭先生(?)、そしてカメラマンよ! そりゃ普通の人なら(多分イラン人でも)、まさか少年が靴目的だったなんて思わないだろう。にしても、少年の涙の種類ぐらいは見分けてあげてほしかった(このあたり洋画・邦画にもよく登場する大人像とダブってて面白かった)。

<<ラスト>>

 兄妹の靴を買った父。兄を責めない妹。痛んだ足を池で癒す少年と、少年を労わる赤い金魚。

 きっと、親父さんは2人のあまりの喜びぶりにびっくりするだろう。金魚も飛び跳ねたりして。

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<<余談>>

 私事ですが、趣味で中国の市民マラソンに走ったとき、3等賞でなく”参加賞”が運動靴でした。しかし、ゴールの場でもらえず、別の日、別の場所で引換券と引き換えということなので、私は受け取りませんでした。旅程を調整するのも荷物になるのもいやだと思ったからです。あと、シューズはニューバランスというこだわりも理由の一つです。本作みて少し反省しました(考えを改める、とまでは言えませんが・・・)。

 あと、イランでも普通にマラソン大会があるなら、いつかあっちの市民マラソンにも出てみたいな〜と、思いました。

(評価:★5)

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