コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ベルリン、僕らの革命(2004/独=オーストリア)

誰もが貧しい社会はあっても、誰もが豊かな社会なんて存在しない。それは物質的な貧困であったり、心の貧困であったり。 不満の対象は何時まで経っても無くならないんだ。そんな世を、偽善に逃避する知恵のない若者は今日も行く。
スパルタのキツネ

若いうちに正義感に燃えるのは正しい。それが時として、反体制に向うのもまぁ良いとしよう。ただ、往々にして彼らの目指すところは「革命」であっても、わずかな「混乱」を引き起こすばかりで、既成社会への「警笛」にすら成り得ない。

革命成立には3つの条件が必要と言われている。一つはそれを提唱する人。一つはそれを実行する人。一つは新しい社会を築く人。幕末の長州で例えれば、吉田松陰(革命提唱)、高杉晋作(革命実行)、伊藤博文(新政府設立)になるだろう。 無論、本作のメンバーにこのような革命思想なんてありゃしない。 まぁそれも良いとしよう。

新しい社会は若者だけでは出来ないし、革命に何年も懸かれば若者は大人になってしまう。 つまり最後に美味しいところを持っていくのはいつも大人なのさ。 若者がそれに気付くのはまだ先だ。それが若者。 若者はそれを知ってか知らずか、形振り構わぬ度胸はある。 だけどね、夜の空き家を狙って掻き回すってのは、教育者(The Edukators)なんていいもんじゃなく、匹夫のすることですよ。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。