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[コメント] ポーラー・エクスプレス(2004/米)

魅せる画は幾つか有り。ドラマというよりアドベンチャー仕立てになっている。クリスマス映画の本作は、奇しくも『グリーンマイル』で鼠のミスター“ジングルズ”との友情を演じたマイケル・ジェターの遺作として彼に捧げられている。
スパルタのキツネ

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映像は良かった。特に冒頭で、(少年が引いた)辞書のページの裏から紙面を透かして少年を映した映像は上手いと思った。これは実写でもいけると思う。ポーラー・エクスプレスの重量感、疾走感の描写は流石は『バック・トゥー・ザ・フューチャー』のゼメキス監督。 車掌のトム・ハンクスがまんまゼメキス監督の『キャスト・アウェイ』の墜落前だなーと思ってたら、ラスト近くで帽子の下はつるっぱげ。実写のトム・ハンクスでは有り得ない?キャラ。これはうけた(大人鑑賞者へのプレゼントかな)。

ストーリーとしては、少年が女の子の乗車チケットを無くしてしまったために、女の子は連れて行かれるが、その先が「機関」車両だったのは、彼女に先頭で“リード”することを学ばせるためで、少年がそこまでチケットを届けに行ったのは、暴走する電車を止めるには少女を信じること、すなわち、彼女が言うとおり、「赤」ではなく「黄色」のバーがブレーキであると“信じる(ビリーブ)”ことを身をもって学ばせたかった、ということなのだろう。

しかし、チケットがあっちへ飛んだりこっちへ飛んだり、少年が屋根上で大冒険したり、と、ちょっと回りくどい演出だったように思える。この部分のメッセージは子供に伝わりにくかったのでは? 車掌のキップ切りの演出は上手いんだけど、其処へ案内されたそれぞれの理由、Learn, Lead, Depend "ON"(Rely "ON"), Believe、の描写が薄かった気がする。

エンドロールの最後で、マイケル・ジェターの写真と彼に捧げるとのメッセージが記されていた。クリスマスを描いた本作が、奇しくも『グリーンマイル』で、ネズミのミスター“ジングルズ”との心温まる友情を演じたマイケル・ジェターの遺作となった。彼の優しい瞳が偲ばれる。

(評価:★3)

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