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[コメント] 21グラム(2003/米)

臓器提供者を巡る禁断のトライアングル。濃い役者3人が揃った本作、とってもこってりしてます。
スパルタのキツネ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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ジャック(ベニチオ・デル・トロ)が事故を起すまでの3人を振り返ると、ジャックは過去に起した罪から更正しつつ貧しいながらも家族と暮らし、クリスティーナ(ナオミ・ワッツ)もドラッグから更正し家族に支えながら暮らしているところである。2人が過去の過ちから明日に向かって歩んでいるのに対し、ポール(ショーン・ペン)は幕を閉じようとしている。それが一転、明日を与えられたポールと、明日を失った2人の関係に・・・。 ドナーの背後には、このようなドラマが隠されているのだろうか?

本作は、このような3人が、後に巡り逢うことを早い段階で提示し、徐々に関係に膨らみを持たせる構成としていたが、ドラマに意外性がない分、時系列操作は複雑化することはなかった。こういう時系列操作も珍しく、報われない3人をうまく演出していたと思う。 また、一体どうなるのか? 肝心の3人の「明日」をラストに残しておいたのも、観るものの不安と希望を助長して良かったと思う。

そして、そのラスト。最期の息を終えるポール、娘の部屋のドアを開けるクリスティーナ、家族のもとに帰るジャック。 クリスティーナのお腹にはポールとの子供が・・・。 このラストも意外性が全く無いと言っても良いほどなのだが、ここで漸く3人の濃厚な演技から解放され、我に返る自分がいる。 凄いな〜、この3人、と。 もう一つ、やっぱり、ドナーの正体は知ってはいかんのだよ・・・、と。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)sawa:38[*] ゼロゼロUFO[*] 映画っていいね[*]

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