この手のおしゃれティーン映画としては、抜群の出来になっていると思う。

二人のキャラクター（キャスティングも含め）から、ファッション、音楽、ストーリ

ー、演出。ロケーション、カメラ、編集も。　すべてがポップなセンスでまとまって総

合力が上がった感じだ。

新しい部分はない。だからある意味、安心して、くすぐられる感じだ。

ただ、二人の最後の再会のシーン。　「縁がなかった」　

この言葉の意味が、身に染みる年になったんだと思うのと同時に、嫌な気分にさせられ

たと反感をおぼえた後、最後のオチでこの監督が好きになった。　

精神的なハッピーエンドだ。　この手のラブコメ映画を観ようと思うのは、この気持ち

のいい昂揚感を味わいたいからである。　リアリティはいらない。　さらに、個人的に

特筆すべきは「オータム」のキャスティング。　ここで「サマー」的な女の子はやめて

いただきたい。「オータム」のオリエンタルな顔を配役したことによって、ある種、大

人になったという意味合いにも私はとれたからである。（まったくもって私的な好みの

変化によるものだが）　　　

でも、やっぱりサマーの魅力あっての映画である。　

なんたってジム・キャリーの「イエスマン”YES"は人生のパスワード」でズーイー・デ

シャネルの魅力に虜になったから、この映画を観たのであるから。