[コメント] 自由の幻想(1974/仏)
美術にピエール・ギュフロワを迎えていますよね。案外知られてませんけど、これスゴイことなんですよ。
ゴダールの『気狂いピエロ』が有名ですけどブレッソンの『ラルジャン』もやってますし、ポランスキーや大島渚とも仕事をしていてなかなか大御所的な存在ですね、フランスでね。フランスカラーというより、おちついた色合いと風景を作れる人ですね。セットとは思えない建物ですよ。見事です。
さてブレッソンとブニュエルが同世代であることは有名ですが、ここでも別の意味で切れ味鋭い作品を残していますね。ブニュエルはこの作品で反社会性を露骨に強調していますがブレッソンはこの少し前にもっと過激な社会批判を行っています。この二人全く共通するところなどありませんが、同じ世代を同じフランスという国で徹底した現実批判をしたブレッソンに対しブニュエルは放浪の抽象画家という印象ですね。彷徨う思考が映画に反映されています。
ブレッソンが詩人ならブニュエルは画家です。ここでもダリのような全く支離滅裂な思考が表現されていて、作品全体で社会批判をしているということなんでしょうね。
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