生成植物の成長を加速度的に促進するという発想はなかなか面白くて、これ題材にすると（この映画のアンチテーゼなのかもしれないが）神の領域に到達するんじゃないか？

遺伝子とかクローンとか現代の科学的問題ですけど、そういうことって古くから想像の世界には存在していたわけでなかなか面白いと思うんだけどなあ。

ダミアンを中心とする周辺の護衛みたいな存在がユニークで、誰が？誰が？という謎解き的に見ても面白いかも。手を汚さずに次々と人を殺めてゆくダミアンの自覚と変化がとても巧妙に描かれていて良かったと思います。

でもなあ、山犬ってところがなあ・・・。『山猫』という映画もありましたが山犬じゃなあ、冴えないよね。リチャード・ドナーの前作も映画館で見ましたが、山犬と聞いて椅子からすべり落ちた記憶があります。笑っちゃうよね。犬だぜ犬。いや僕は愛犬家ですけども、いかにもオチがダサいね。

映画は見せるもの。想像させるものですね。この映画の欠点は、大変よく見せているんだけど、想像させる見せ方に欠ける。作者の性格とか感情とか知性とかが呼び込めてない。そこが残念。もっと創造力と想像力を働かせればもっともっと面白くなったのになあ。