[コメント] 運動靴と赤い金魚(1997/イラン)
今どきこんな優しい映画があったなんて・・・。赤い金魚が足下に寄ってくる、この意味がわかるか!
赤い金魚のあの赤色は、幼い頃夜店で見た金魚でもない、水族館にもいない、つまりもう日本にいない金魚なんだ。 マラソン大会に出場し、頑張って頑張って頑張った兄の足に吸い寄せられるあの赤い金魚は、これまで見たこともないような美しいものだった。 精神の叫びが聞こえてくるような、優しく美しい映画だった。
ということで、皆さんのコメントにもあるように、もはや先進国では作り得ない映画であるということに考えを馳せてみたいと思う。
第二次世界大戦後、世界を取り巻く環境は急激に変化してしまった。この変化の狭間で変化しないものがあるとしたら、この映画の中にほんの少しだけ見えたのではないか。
貧しい時代、ささやかな喜び。それが靴に象徴されるなんて、今の我々に想像できますか?
悲しい、そして少しうれしい、そしてとても心を揺さぶられる映画だった。
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