[コメント] 白いドレスの女(1981/米)
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原題が『Body Heat』ですからね、もっと生々しいセックスシーンがありそうな雰囲気が漂いますが、邦題の『白いドレスの女』というタイトルは実に巧妙に検討されたタイトルだと思いますね。
だから、最初から白いドレスのことばかり気になって見ていましたが、クライマックスシーンでキャスリーン・ターナーがウィリアム・ハートのもとを離れて小屋まで歩いてゆくシーンの白いドレス姿などもとても印象的ですね。このシーンは素晴らしいです。
白いドレスを着たキャスリーン・ターナーが一歩歩くと暗闇に消えてしまう。そしてそれをウィリアム・ハートが不安げな表情で見送る。その彼の肩越しに黒人刑事が小さく写る。そして爆音とともに小屋が爆発する。こういう美しいシーンこそ映画的と言えますね。昔の映画には工夫がありました。映像表現の中で、その映画のポイントとなるシーンを見事に強調していますよね。素晴らしいと思いました。
最後の最後になり替わりによって巨額の財産を手にするキャスリーン・ターナーですが、ウィリアム・ハートは彼女が卒業した高校の卒業写真で初めてこのからくりを知ることになるんですね。そこには彼女の未来の夢として「金持ちになって外国で暮らす」と書いてある。そしてそれを現実にした彼女が、ある外国の小島の海岸で倦怠した風で海を見つめている。
人間、欲望を手にした瞬間、全く別の精神状態に陥るのでしょうね。
ローレンス・カスダンは脚本家としての力量は早くから認められていましたが、映画監督としてはこれがデビュー作でした。
その後の作品で決定的な作品が認められないところを見ると、映画監督としてはイマイチなのかもしれません。
でもこの作品はなかなかでした。
それにしてもミッキー・ロークの若き日の姿がとても魅力的で印象的です。
爆弾魔という雰囲気もさることながら、理知的な雰囲気も伝わる難しい役回りですね。
最近、『レスラー』という作品で置いた姿を見ましたが、やはり若いころから魅力ある役者だったんですね。かっこいいです。
2011/02/19 自宅
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