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[コメント] ワルキューレ(2008/米=独)

いつの時代にも覚えのある行為だ。
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







つい最近、アメリカと日本で政権交代が実行されましたが、いつの時代にも同じような変化があるんですね。

これはドイツの『226』事件だったんですね。もちろん日本の歴史でも、戦国時代を含む色々な政権交代が行われました。

この映画で象徴的なシーンをひとつ選べといわれれば、迷うことなく、通信部のリーダーに部下が詰め寄るシーンですね。総統(ヒットラー)と改革を望む軍部とが混在するとき、果たしてどちらを選ぶか一瞬で選択しなくてはいけない場面がありますね。ここは緊張しました。

これはもしかしたら、会社とか役所とか組織でどうしても起こりうることだと思いました。自らの信念を貫かないと、戦時中だと命に関わります。結局このクーデターを幇助した将軍も、戦後処刑されるわけですから、命を賭して自らの行く末を瞬時に決めないといけないとなった極限のとき、人間は果たして正常でいられるのでしょうか。

この映画の主人公(トム・クルーズ)には、自ら戦争で失った眼球と腕と指、この狂気の中で自らの行く末を決断するんですね。その決断があらゆる意思として全編を覆います。

実話であるという驚きと、ヒットラーは15回も暗殺計画に晒されていたという点がエポックでした。

ブライアン・シンガートム・クルーズの初タッグとなったこの映画ですが、『Xメン』シリーズよりも、ブライアン・シンガーの演出力は素晴らしかった。この監督が見せ方が上手です。見せ方という意味では、今何でもVFXのおかげでできてしまう時代ですが、彼の魅力は『Xメン』のようなSFではなくて、こうした事実に基づく映画で本領が発揮されますね。

とても素晴らしい映画でした。

2009/10/4

(評価:★4)

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