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[コメント] いつか読書する日(2004/日)

抑圧された感情がクロスする見事な演出でした。
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







田中裕子さんはこの作品で女優賞をいくつか受賞されていますが、やはり彼女なくしてこの映画はできなかったでしょうね。

このすれ違うさまが見事です。岸部一徳さんとのすれ違いが長ければ長いほどラストの抱擁に感動が繋がりますね。

そういえば田中裕子さんのご主人は沢田研二さんですよね。かつて岸部一徳さんとは「ザ・タイガース」でメンバーだったじゃないですか。ご主人はこの映画をどのような思いで見たんでしょうね。聞いてみたいです。

これからはシングルの女性が強く生きる時代がますます多くなってゆくことと思いますが、この映画を見て似たような環境にある女性のことを思い浮かべてしまいます。

最後に岸部一徳さんが川でおぼれて亡くなって、救出されたときに笑顔だったというのがすごい演出でした。死んだ死体が笑顔だなんて。

仁科亜季子さんの病弱な奥様役も素晴らしかった。彼女以外にこの役は無理でしょうね。

親の不倫が残し田舎町(長崎)の歴史で、その子(田中裕子さんと岸部一徳さん)が全く別々の環境で生きて、それぞれがそれなりに歳をとって最後に一時だけ結ばれるという感覚は、もしかしたら誰もが持っている淡い感情なのかもしれませんね。

緒方明監督作品は先に『のんちゃんのり弁』を拝見しましたが、こちらの作品の方がずっと品があって美しい映画だったと思います。

201/04/30 自宅

(評価:★4)

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