『少林サッカー』を見て思ったことだが、カンフーのスタイルは変わらなくても、映画の技術は進化しているなあということ。ＶＦＸやワイヤーアクションを駆使したカンフー映画はチャウ・シンチーが初めてだろう。

日本に輸入されてブームとなったカンフー映画はブルース・リーの一連の作品が最初だったのだが、『死亡遊戯』撮影中の死によって一旦ブームは終わる。ブルース・リーに関しては、クラスに一人はにわかブルース・リーが存在したくらいだった。教室の休み時間では「アチョー」の声が飛び交っていた。アホみたいだ。ブルース・リーは孤高の人であった。スター然としていて、自分の内なる境地を求めて映画を作り、肉体を強化していたようだ。

次がやはりジャッキー・チェンであるが、彼の笑顔とそのサディスティックなまでのアクションは広く受け入れられることのなった。ジャッキーがブルース・リーと異なるのは、自作をきっかけに多くの仲間を呼び入れたことだ。サモ・ハンもそうだが、同じスタッフから普遍的にスターを生み出してゆくという姿勢が、それまでのカンフー映画とは異なる点であろう。

そしてチャウ・シンチーだが、彼は下積みも長く『少林サッカー』で一気にスターの仲間入りするが、基本はジャッキー同様、仲間を重用する。本作を見ても『少林サッカー』のメンバーが大挙出演を果たしている。

そして何よりも古い時代、古い映画への造詣高い点に好感が持てる。（私は良く知らないが）カンフー映画の古くからのスターが出演を果たしているようだ。

また、今回の作品では超エネルギーの存在と儒教とがバランス良く表現されていて面白かった。