[コメント] 殺陣師段平(1962/日)
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というのが最初の印象でした。
この12年前にマキノ雅弘監督で映画化されたことを知らずに、何気なくDVDを借りて見たわけです。
そのきっかけが「七人の侍と現代」という本を読んで、この作品の脚本を書いた黒澤明監督が昔の新劇のような立ち回りは本物でないといことを主張している、というようなことが書いてあったものですから、事前に脚本を読んで見てみたわけなんですね。
キャスティングにも興味がありましたが、殺陣師の役に中村鴈治郎さんをもってくるあたりが、べたべたの関西弁の在り方などがとてもリアルで好感が持てましたね。
しかし中村鴈治郎さんは「ウマイ!」
印象としては小津安二郎監督の『浮草』とか、市川崑の『鍵』『破戒』などが強く記憶に残りますが、いずれも役回りを超越するような迫力ですね。存在感がありますね。
ちょうどこの『破戒』でコンビを組んだ市川雷蔵さんと共演しているこの作品ですが、『破戒』とは正反対の役回りで主従が逆転しているのが面白かったです。
この作品で黒澤明監督が言いたかったことが、実際に良く示されていてとてもよかった。
1962年。
これはわたくしが生まれた年です。
黒澤明監督は同じ年に『椿三十郎』を撮影されていた年ですね。白黒映画です。
だから、この『殺陣師段平』がカラーだったことに驚きを感じたのでしょうね。
当時の経済成長をそのまま生き写しにした迫力が映画の中に出ていますし、なかなか良い映画だったと思います。
2010/09/13 自宅
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