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[コメント] 花のれん(1959/日)

山崎豊子先生の生い立ちが、大阪であるということを遡って確認しました。
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







正直申しまして豊田四郎監督の作品は『四谷怪談』しか見ていませんので、この映画をどれほどの価値として判断するか、とても迷うところです。

ところで1959年というこの映画が公開された年がどういう年であったかを確認しますと、高度成長にさしかかろうとする年で、エネルギーの主体が鉱山から重油に変わりつつある年で、象徴的なこととして、愛知県の豊田市が改名された年。即ち車社会の到来ですね。

そんな中、この映画の中心、大阪の苦悩と活気は、当時の時代そのものを描いていますよねきっと。そんな感じが伝わります。

淡島千景が主役の東宝映画というのも、今思うと案外地味な感じがしますが、森繁久彌さんや、エンタツ、アチャコをリアルに見ることができる映画はそうないんじゃないでしょうか。

エンタツ、アチャコは映像としてなかなか見ることができませんので、その芸風を拝見して時代性を感じました。

山崎豊子先生が生まれ育ったこの町について、その当時のことが実感として伝わりますね。必死に食らいついて必死に生きるその姿勢はいかにも大阪ですね。

2009/10/24

(評価:★3)

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