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[コメント] たそがれ清兵衛(2002/日)

ゆるめた涙腺戻されて、ホメ殺ししたい気分。
ざいあす

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







山田洋次だし、好きな時代劇だし、見る前から感動した気になっちゃって、期待度120パーで臨みましたよ。

ちょっと期待した方向と違っちゃったけど、結局、清貧の美しさって、頑なに意志を貫き通すことじゃなくて、とりあえず耐えて、それでダメならその場の状況でベターと思える選択を繰り返すことなんですね。

「まあ座れ。」のあと、どう転がしてくれるのかワクワクしちゃったけど、やっぱりお上に楯突くやつは、自分と同じ辛酸をなめた境遇の人でもたたっ切るのが一番だね。

剣の道を捨ててはいても、ちょっと昔を思い出せば才能だけで敵なしだね。かたや剣一筋に生きた人が、タケミツ出されて侮辱に思うなんて勘違いも甚だしいね。そんな奴は切り捨ててサッパリ。

宮沢さん、断られたときのリアクションと決闘の帰りを待つリアクションがなんにも無かったけど、これはひとえに清兵衛の生き様を浮き彫りにするために省いたんですよね。「強い女だ」と言っておきながら、駆け落ちに走らず家事が上手でひたすら耐えるだけの女性像は、山田さんが年輩でいまだに男尊女卑や性別役割分担を信奉してるわけじゃなくて、原作を生かしながら当時の状況にマッチしたキャラ設定なんですね。

別の縁談受けましたって、いったんは悲恋な状況作っておけば、あとは省略しちゃえばこっちのもん。ここだけは時代や社会状況無視してもオッケーで すね。

息子を忘れたバアさん、いくらでもいじれるのに見せ場作らずボケさしたままだったり、娘の回想スタイルで展開しながらも、親子の強い絆のエピソード盛り込まなかったのも、忍ぶ恋とお上から命受けたヤな仕事を両立させる手際の良さを引き立たせるためなんですね。

あー、いろいろホメたらすっきりした。でも、中にはいるんだろな。キネ旬1位とか聞いてヘソ曲げる奴。ヤだね、自分の見た映画けなす奴は。そんな心の狭い人間にはなりたくないな。

(評価:★3)

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