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[コメント] ドライビング Miss デイジー(1989/米)

2003年に観てしまうと、もはやスーパーありがちな設定。しかし、頑固ババアにはいつも泣かされる。
ざいあす

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







人種差別に絡んだ事件が起きて冤罪を被ったホークを、今まで嫌っていたはずのデイジーが助けて一件落着。そんな筋書きを予想したが、そこまで単純ではなかったみたい。

中盤で早くも互いにうち解けてはいたが、それぞれの人種・階級的立場を乗り越えることは無かったのが意外にシビア。女のメイドが死んで、1対1になっても食事は別々の部屋。あそこはデイジーが彼を招き入れて一緒に食事すると思ったのに、なかなかしぶとい。デイジーがホークに毎日読み書きを教えていくなど、いくらでも膨らませたはずなのに。

終盤はさらに二人が歳をとり、デイジーがボケてホームに入るなど死を予感させる展開。人種問題だけでなく、「老い」の問題も否応無しに考えさせられる。

穿った見方をすれば、使用人を雇える金持ち白人(ユダヤだが)だから、ここまでの関係が築けたのであって、実際には違う環境でふれ合う機会もない白人と黒人の谷間は深いと思うと、鬱な気持ちになる。

中盤の親戚の家へのドライブシーンまでは、派手めな音楽使ったりハリウッドぽい軽薄・偽善を感じたが、終盤の二人の淡々とした老境にはしみじみするものもありました。

(評価:★4)

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