久しぶりに続編が１作目を上回る映画を見た。

序盤こそ取ってつけたような状況説明が続いてウンザリしかけたが、ヘタレなしょぼいヒーローを描いた前半が効いて、後半は同じＢ級なテイストながらもスピード感あふれるアクションとお約束的恋愛がスパーク。ストーリー自体は予定調和の域を出ないが、笑いも含めてライミ監督のいびつなパワーあふれる演出が楽しめた。

なにしろ笑いっぱなしで、地下鉄止めるトビー君の必死な顔でも爆笑。トビー君のヘタレな存在感は唯一無二。しかも青春エロスなテイストもあって好不調でクモの糸の出が違う。アゲアゲのときのビュンビュン出まくりがすごくてビル街すっ飛びも２割増しくらい飛んでた。若いっていいね。

ただ、苦悩するヒーローは良かったが、今回の対決相手のドクオクの葛藤がおざなりになってしまった感が。もともといい人なのに危険な実験のリスクを省みず強行するところにムリがあるし、悪人にポジションチェンジするのも唐突。妻を亡くした悲壮が対決の中でいまいち活かされなかったかんじ。

全体として整合感のないストーリー、演出が痛快な部分もあり、もどかしい部分もあり、自分としては微妙。ホントはこういう映画を楽しめる度量が自分にあればいいのだけど、どうしてもまとまったバランスを求めてしまう。

キルステン・ダンストのイケメン婚約者、立場ないじゃん。(☆3.5）