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[コメント] 10億分の1の男(2001/スペイン)

突拍子もない設定や説明不足もスペインカラーに染められるとすごく新鮮。 強運の謎解きがせつない。
ざいあす

突拍子もないゲームだ。 B級にもなりかねない題材だが、増感されて深みのある色あいの映像とクラシカルな音楽が格調高めている。さすがスペイン。

人物の絡みの説明は最小限で、登場人物が皆ストイックでクール。サスペンスというより「運命の叙事詩」というような淡々とした趣。

さすがマックス・フォン・シドー。こういう映画でこそ活きる。 終盤の独白は、過去の再現シーンなくても十分納得させられてしまう存在感だった。 惜しむらくは、彼の登場場面の少なさで、そこまでに彼の孤高の悲しみを少しでも垣間見せて独白の布石を打って欲しかったところ。

運命の輪廻と継承という括りで、同じスペインの「トーク・トゥ・ハー」と 似通った印象があった。やはり運命を司るのは人間の想いなのだろうか。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)リア[*]

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