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[コメント] 天使にラブ・ソングを…(1992/米)

緩いっ!。ハリウッド産のコメディだと、ついついブラックなジョークを期待していたのだが…。さすがにウーピーを持ってしても舞台が教会だけにお行儀良く、まとまりすぎた良質すぎる印象。コンパクトに構成されているのは評価するが、刺激が足りな過ぎる!。前半の時点でエンディングが丸見え。
TOBBY

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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家族で安心して観られるコメディとしては及第点で申し分無いのであるがターゲットゾーン(メインは子供と中年以降を意識してると思われ)を外れた世代にとっては生温いのでは?。ウーピーが尼僧姿でSEX発言する箇所と、ナジミーが路上で興奮してブレークし過ぎて取り残される箇所と、終盤で尼僧そのものになりきる捕われのウーピーカイテルが丸めた紙でスコンと殴る箇所しか笑えんかった。どっちかとゆーとコメディとしてよりも、ハートウォーミング&サスペンスとしての方が観られる。根本的に「サウンド・オブ・ミュージック」の後半部分とかぶりすぎるので脚本より役者の演技を観てる方が楽しめる。ギャング役ながらコメディとしての悪役という微妙なトーンを解って演じるカイテルと、出てくる度ににニコニコと陽気で見てる方も愉快にさせるナジミーが巧妙な演技を見せるが、個人的には耳の遠い聖歌隊の高齢ピアニスト・シスターアロマを演じたローズ・パレンティが好演しており微笑ましく印象に残る。ウーピーは前述の通り制約が多かったと見え、ギャグにキレは無いが、冒頭ではギャングの情婦をきっちり奇麗に演じていて感心。ハスキーな歌声も◎。憎まれ役のシスターを演じたマギー・スミスはステレオタイプの役が多すぎて、また、こんな役か〜と思うのだが(日本でいうなら野際陽子。怒ると声が裏返るのもソクッリ)あれだけの自分勝手な個性派のシスターたちの前に登場するだけで緊張感を与える存在感は見事。しかし脚本がいい加減で終盤のウーピー奪還のくだりで急にそれまで,疎ましく思ってたウーピーに対しコロッと態度が変わって率先して支持し出すのは唖然。ここは奪還はナジミーたちに任せ、ラストで離れた場所からウーピーへ、ひっそり賛辞をスミスに送らせるような描き方の方が粋だったように思われる。

で、結局、コンパクトにまとまっているので予定調和ではあるもののラストまで観れてしまうのだが、個人的に引っかかったのは、思想として、基本的に個性や時代に合わせた柔軟性、個人の自由性は支持してるのだが、教会は唯一例外であっても良いと思う点。ルールと戒律があり、歴史を築いてきたのが教会であり、それを受け入れた人々が神職に付き、神聖な場所として成立しているのだから。それを変えるというのは幾ら何でも無理がありすぎたように思う。だから、その部分においては、ウーピーの突然の訪問により神聖な場所が揺らぎ、理想である修道院の像が崩されてゆくことに憤慨するスミスの気持ちも解り、心から同情。

(評価:★3)

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