アルビンみたいに「ムチャだ」「よくあんな乗り物で」と言われるのは、実はボク自身にも似た体験があったりする。それはツーリングの時。一見恥ずかしいことにも思えるが、反対に、自慢げな瞬間もあったりする。穀倉地帯の空撮が映像の割合で多くを占めていたように思えるのは，案外、ああいう「旅」を肯定し、観客の羨望の眼差しを呼び込もうとしているようにも思える。ラスト近くの、兄のライルの家の曲がり角まで案内してくれる大型トラクタの運転手の無言で指さすだけのシーンもツーリングぽかったですねぇ。

けっしてヒーローの出る映画ではないのに、体にハンディのあるアルビンの行方がどうなるか、目の離せないストーリーではありました。

「老い」を受容せざるをえない人々へのエール、という意味づけに思えました。かといって、つまんなかったワケじゃないんですけどね。数万の言葉よりも，信念を持った行動のみが，肉親のわだかまりを無くしてくれる唯一の方法でもあるのかもしれません。