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[コメント] ドリーム・スタジアム(1997/日)

日本版『フィールド・オブ・ドリームス』は往年の選手達が全員知っている人たちで楽しい!あぁ!門田!戻っておいでホークスに!どうせなら南海ホークス大集合にして欲しかった。
ピロちゃんきゅ〜

この映画を見て、自分がホークスファンであることを思い出した。

20年以上昔にさかのぼる。

県営野球場に年1回のプロ野球公式戦がやってきた。パ・リーグの南海対日本ハムだった。小学校の野球部に入っていた僕は生まれて初めてのプロ野球観戦だった。それまで野球と言えば巨人、長嶋であり、王であり、テレビをつけたって巨人対何か、しかやっていない。当然のように「好きな球団は?」「巨人!」という子供だった。そんな時代ではあったが、プロを見る機会はめったに無い。「巨人じゃないのかぁ」と言いつつも、喜んで出かけていった。当然、両チームとも誰が主砲なのか、誰がエースなのか?すら知らず。

父の仕事の関係上、バックネット裏の非常に良い席だった。バックネット越しに見えるキャッチャーは背番号が19番と書かれていた。僕の前々の席のおじさんが声を荒げている。

「おい!野村!しっかりやらんか〜」

キャッチャーはふてぶてしく背中を丸めて投球を受けていた。

「お〜い!野村!の〜む〜ら〜!」

キャッチャーが唐突に振り向いてミットをへいへいっとふった。客がどっと沸いた。その瞬間、僕はテレビの向こうで活躍する人達が急に身近に感じられて、無性に「すごい!」と思ってしまった。しかも、そのキャッチャーは4番で、監督で、「あのチームはあいつが一番偉いんだ」という、うちのオヤジの言葉にすっかりはまってしまった。そしてそのゲームで決定的なホームランを放ち、その時のエース(これが自分と同じ名前だったから余計に気持ちが傾いた)を勝ち投手に導いた瞬間に僕の心は奪われていた。この人が、このチームが好きだ!

そして、帰りにホークスの緑の帽子を買って、自信満々で被って歩いた。翌日、異様に目立つ緑帽子は学校で僕1人だった。でも、僕は逆にそれがカッコよく感じて得意げに「門田のマネ」といって左打ちをしたりした。誰も判らない。それが快感だった。

以来、数十年、ホークスから野村が追放されようが、門田が辞めようが、福岡に行こうが、ホークスは特別な存在だった。もっとも昔ほど、熱烈なわけではないが、やや冷めたあたりで強くなったことに少しガッカリもし、嬉しくもある。

この映画を見て、単にホークスと名球界がスポンサーで付いただけだと言えばそれまでだが、久しぶりに見る高柳とか門田とか広瀬とか(その他、名球界の方々多数)、とにかく嬉しかった。ホークスを好きになった頃の気持ちが蘇ってきて、こんなレビューを書くに至った。どうせなら「あぶさん」の1巻〜3巻ぐらいの映画があればいいのに…。あの頃のワイルドなパ・リーグを見たいな〜と思ってしまった。ストーリー的にはまさに『フィールド・オブ・ドリームス』なんだけど、アメリカの古き良きメジャーを知っている人はシューレスジョーが出てきただけで泣いたんだろうな、あの映画は。日本版では金やんが、稲尾が、江夏が、とみんな元気やん!と突っ込めるのが楽しい。笑える。はじめに過去に居たホークスの選手のくだりで故・久保寺選手の話なのかと思って、思わず涙が出そうになった。できれば、今の選手達がもっと出てほしかったなぁなんて、ちょいと思いましたよ。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)chilidog 新人王赤星

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