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[コメント] もののけ姫(1997/日)

宮崎監督の「おさかなのうた」プロデュース論
torinoshield

久しぶりに『もののけ姫』のページにたまたま来たらみなさんのコメントが面白い、&熱いのでつい、全面改訂。

自分が基本として持っている価値観に「素人(映画監督、音楽家、芸術家等)が政治に関して語ってはいけない」というものがある。これはありきたりな理由で視聴率20%をも超える人気番組のアナウンサー(当然政治の素人)が政治的思想を上手くある方向に導く行為に似ているからだ。そういった意味で日本で最も売れている映画監督が政治の話をするべきではないと思う(そんなに語りたきゃ政治家になれ、と言いたい)。つまりどんなに真っ当で正しい事を言っていてもこの行為を支持することは出来ないってことだ。

話は変わって自分が曲を作る場合だが、たかだか一つの構成要素であるだけの「詞」を他の構成要素全てを合わせた物と対等に扱って欲しくないのだ。では他の要素を聞いて欲しい場合はどうするのか?結論として詞を「意味の無い人畜無害なモノにする」。こうすることによって違う要素(メロディー、リズム、編曲、歌声、音場)にバランスをシフトさせるよう工夫しているのだ。例えば「おさかなのうた」なんか詞以外聞く必要は無いから上に記した要素は全て手抜き。ここでリズムがへぼいからと言ってジョン・ボーナムばりのドラミングをしたら間違いなく悲惨だ。

しかし個人的には全ての要素に全力でぶつかる無謀な人(俗に完璧主義者)が好きだ。宮崎監督の仕事は子供用アニメからスタートしている。それは音楽界で言う「おさかなのうた」プロデューサー的立場の人だったはず。彼は詞を聞かせる為に他を手抜きにするなど我慢できなかったタイプだ。結局、散々現場とぶつかりながら「おさかなのうた」を超豪華なバンドメンバーで編曲も一からやり直し本物のホールを使い音場の抜けを完璧なものにしてきた(もちろんドラムはジョン・ボーナム)。子供しか聞かなかった歌をやがて大人が熱心に聴くようにまでなり、そうこうして最後に手を付けたのがアニメだから通用している「詞」だった訳だ。その楽しくってどうでも良い様な詞の内容が

「捕鯨を巡る欧米と日本の茶番劇をニュース・ステーションでぼーと見てた」ような内容。

もう見た人文句言う言う。「おさかなのうた」だったのに鯨の話題ばっか。(他の要素なんて誰も関心なくなってるし)←監督、俺が強く言いたいのはココだ!プロならバランス考えないと。

(評価:★2)

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