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[コメント] チェンジリング(2008/米)

実話だからということもあるのか、何だか普段のクリント・イーストウッド節とは一味違うような印象。[TOHOシネマズ高知8/SRD]
Yasu

で、どのへんが違うのかを考えてみた。

イーストウッド作品を全部観ているわけではないのであまり偉そうなことは言えないのだが、個人的には、彼の作品では「主人公は目的のためなら手段は選ばず、しかしその結果の重大さのために周囲も本人も苦悩する」という(勝手な)印象がある。『ミスティック・リバー』然り、『ミリオンダラー・ベイビー』然り、前作の『硫黄島からの手紙』然り。

しかしこの話は、主人公は苦悩などしていない。ただ息子を取り返したいという一心のみで動いていて、自分にできることなら何でもするというスタンスである。そもそも警察という巨大権力を前にしては、彼女など単なる一市民に過ぎないので、自分の取る手段が重大な結果を招くという意識がないのだ。そのあたりが従前のイーストウッド作品と違う主人公像であるように思う。

まあ、大事な一人息子を取り戻すためとはいえ、彼女をここまで突き動かした原動力は何だったのか、そのあたりをもっと深く描き込んでほしかったという気もするが。

(評価:★4)

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