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[コメント] 猟奇的な彼女(2001/韓国)

チョン・ジヒョンはキョヌの彼女役で様々なキャラを一人で演じきってしまうあたりには感心してしまう。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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始めの感じだと日本にもあるようなでこぼこコンビのラブコメ映画なのだが、終盤になると話が大真面目に進みそれなりに感動できる純愛映画になってしまった。

ストーリー展開こそアメリカ映画によくあるいわゆる、ティーン・エイジャー系のラブコメ映画となぞったという感じで、多少展開にぎこちなさはあったが、過去のハリウッドの二番煎じ韓国映画に比べれば大分努力した感があり、多少オリジナリティのアル映像もあって好感が持てた。

ギャクシーンなんかは少年誌漫画のベタなネタを意欲的に使っているが、テンポがいいせいか、これが映画の空気と妙にマッチしており不思議とじわじわとストーリーを盛り上げてくれる。

特にキョヌと彼の彼女(キャラ名がないので、以下〜彼女)との掛け合いシーンはお互いのキャラの個性のぶつかり合いで非常に楽しめた。

彼女は説教臭く、仕草は親父臭さ丸出し、酒を飲ますと泣き上戸になり、キョヌに対し男らしさを熱く語る割には自分が不利になると途端に女の子っぽい可愛らしさで自分を守り、わがままで喧嘩っ早い。これだけの彼女のキャラを映画の中で自然とギャクの中に絡ませている事には感服してしまう。もちろんキョヌもナヨナヨしてて、弱虫、時には子供のような屁理屈な御託で問題を解決しようとし、彼女から簡単に逃げ出すという彼女とは全く正反対のキャラでキョヌがボケで彼女がつっこみというギャクでのバランスがしっかり取れていた。

それにしても、彼女役のチョン・ジヒョンは結構可愛いのに、嘔吐シーンをやったり、彼女の書くシナリオの世界でアクションをやったりと一人で汚れ役を買って出ている感じでどこか女優魂というものを感じてしまった。少なくとも彼女のキャラを完璧に映画の中で演じきった事には感心してしまう。

ただこの個性爆発の二人のキャラが終盤まともな展開になり、まったく出てこなかったのは気になる。別に終盤の展開は結構ロマンティックでいいしコメディシーンをやってくれなくてもいいのだが恋愛ドラマしてみると2人がどのあたりから本気で好きあうようになったのかがはっきりしない。

終盤の演出は結構良かったのでもうちょっと恋愛エピソードを膨らませてもよかったと思う。

それと終盤の最後の最後になって回りくどい演出で終わらせてしまった事がこの映画では返って完全に裏目に出てしまった。キョヌがあの人物の親戚であるというオチなら彼女があの人物から紹介されいてもおかしくないわけで、二年以上もキョヌと会えなくのはおかしい。キョヌももっとその事に早く気づくと思う。このオチで片付けてしまうと、それまでキョヌが彼女に会うために何年経っても木の前にくるという展開なとで引っ張ってきたタイムカプセルを伏線にしたあのオチはいったいなんだったのかと思ってしまう。

少なくともこの映画は変に偶然性を見せつける終わりかたをせずに、タイムカプセルの伏線を使ったオチできれいに終わらせた方が数倍よくなったと思う。

(評価:★3)

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