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[コメント] ドラえもん のび太とアニマル惑星(1990/日)

とても子供向け映画とは思えない優れたシナリオ。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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「ドラえもん」の映画化11作目となる映画。

ピンクのもやでなければ行けないアニマル惑星(プラネット)という世界や人間並みに機能が進化した動物のキャラ設定、壊滅した惑星からアニマル惑星を侵略する敵など、『猿の惑星』をモチーフにしたかのような硬派な展開でなかなか飽きさせないストーリー。しかも、最後には人間と動物たちの和解できちんとまとめられているところなど、とても子供向け映画とは思えない優れたシナリオ。

アニマル惑星での環境設備をメインとした科学技術も近未来の世界観に見事にマッチしており、ストーリーに深みを持たせている。特にチッポとのび太との何気ない会話の中に消費者文化や環境破壊への痛烈なメッセージが込められているところに感心した。演出面でもロミちゃんの救出場面は本来なら御都合主義になってしまうストーリー展開を秘密道具の効能を利用して、逆に御都合主義な展開を期待させるよう意図的に描かれているところが素晴らしい。

映画としては、子供でも純粋に楽しめ、大人でも結構楽しめ、いろいろと考えさせられる点を残しているストーリーはアニメ映画とは思えない良質な出来で非常にお勧め。

惜しむらしくは、ラストのオチが前作の『日本誕生』と同じパターンに終わってしまっている点。しかし、連邦警察のスパイを終盤で登場させた以上仕方ない展開ではあるが。

(評価:★4)

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