事故死した愛犬を実験で甦らせた少年のファンタジーホラー・アニメ。

ここ何作かのジョニー・デップとのコラボ作品で、あまり趣味嗜好が反映されることが少なかったティム・バートンだが、今回は監督の嗜好がかなり反映され、久々に全面的にバートンらしい作品を見れた気がする。

子供向け作品なのだが、監督のバイブルとも言える怪奇映画へのオマージュや、『ガメラ』を髣髴とさせる巨大カメの襲撃シーンなど怪獣特撮を意識したシーンもあるので、かなり大人向けな作風。

キャサリン・オハラ、マーティン・ランドー、ウィノナ・ライダーら初期のバートン映画への出演経験のある俳優を声に起用したのも、世界観に合っていて良かったと思う。

主人公ヴィクターによって甦ったスパーキーが継ぎ接ぎだらけの見た目と裏腹に無邪気にヴィクターに接する姿が愛くるしく心が和む作品であった。