新キャストによる劇場版ドラえもんシリーズ第６作｡８６年の『ドラえもん のび太と鉄人兵団』のリメイク｡

ストーリー展開はオリジナルを踏襲しているが､キャラ設定はオリジナルから大きく変更されている｡

オリジナルではそれほど目立たなかったザンタクロスの人口頭脳が今作では､ドラえもんの道具によって､生命化されピッポという名前も与えられ出番が多くなっており､リルルと同等にメインキャラとして扱われている｡その分オリジナルで出番の多かったミクロスは人工知能を入れた状態では登場せず､出番も減っている｡またストーリー面でも､しずかちゃんと同時並行でのび太とピッポのドラマもメインで描かれている｡

オリジナル版で先の展開を知っていることもあるが､今回新たに描かれるのび太とピッポが友情を深め合うシーンが先の展開を予想できるだけに､余計に感涙してしまう｡今回のキャラアレンジはドラマの感動要素を高める点では大きく成功していると思う｡

ロボットの特撮描写もかっこよくなっており良かったのだが､オリジナルと比べるとドラマ部分にだいぶ力を入れているのか､鉄人兵団とのバトルが思ったよりも少なく､オリジナルで大活躍していた改良型やまびこ山も思ったほど存在感を出してなかったのは残念だった｡