ＴＶドラマ｢グリーン・ホーネット｣の映画化作品｡

ドジでお調子者のアメリカ人と身体能力に優れた中国人コンビが正義のために自警活動をするという設定や仲違いを起こす展開ぶりが､『ラッシュアワー』や『シャンハイ・ヌーン』などのハリウッド進出後のジャッキー・チェンのアクション映画とほとんど大差ないのにはがっかり｡

主人公ブリットの過去がヒーロー活動へのカタルシスとして活かされるまでも描写が少ないし､カトーとの繋がりも表層的にしかないので､コンビ感も何か中途半端｡ヒロインが本題には全く絡まないで進行するのも､もう少し何とかして欲しい｡せっかくのキャメロン・ディアスの起用なのに勿体無い｡

正直､人物描写の緻密さに優れているミシェル・ゴンドリーが監督だっただけに､もう少し期待したのだが､今作の人物描写は結構期待はずれ｡

ただ､終盤のカーチェイスから敵のビルで車が半壊するまで車を使い切ったアクション演出はなかなか面白かった｡

カトー役のジェイ・チョウのアクションも結構よかったし､従来のアクション映画におけるお堅いクールタイプの東洋キャラではなく､比較的等身大で茶目っ気のある青年キャラになってたのも悪くはないと思う｡