ギャングの抗争に巻き込まれる青年のクライム･サスペンス映画｡実話の映画化｡

前半の敵組織の大物､ジミーを誘拐する目的が途中までほとんど明らかにされないので､中盤までストーリー展開が全く盛り上がらなく非常に冗長で退屈｡しかも､誘拐の目的が明らかになっても､その理由が敵の組織が強奪した700万ドルの返金という単純なものだし､なおかつ大元の組織のボスたちの討論もかなり底の浅い争いで､終盤､金を強奪された組織のボス､モリソンの口車で誘拐されたジミーのパートナーであるスティーブが簡単にジミーの抹殺を命じて無理矢理話を終結させているところなど､どうにもいい加減さが目に付く｡

せっかく中盤のギャングの抗争に巻き込まれ状況を把握できないままジミーを人質に車に籠城する主人公レニーとジミーの組織のギャングとの攻防戦が緊迫感があってよかっただけに､安直なラストで中盤の籠城サスペンスドラマの展開を壊して欲しくなかった｡

気になった点としては､モリソンの指示で誘拐を実行したリックが予め用意したルートではなく､別のルートでジミー誘拐を実行したのかの理由をはっきりして欲しいところ｡また主人公が籠城している車の近くにある店の店員やアパートに来ていた塗装業の青年ももっとストーリーに絡ませないとわざわざ登場させた意味がなくなってしまう｡