[コメント] シンデレラ(1997/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
童話「シンデレラ」をミュージカルタッチに映画化した作品。
ストーリーは従来の「シンデレラ」そのものだが、この作品はシンデレラに黒人をキャスティングしているのが他のシンデレラと一線を画している。さらに王子、王様、王女様が東洋人、白人、黒人と人種がバラバラなのも結構変わっている。
最初は違和感があったが、慣れてくると役者同士のコンビネーションもよく、それほど気にならなくなった。
映画自体はディズニーのミュージカル映画を観ているような感じで、内容も子供向けと言ってしまえばそれまでだが、異色なキャストながらもシンデレラの世界観は逸脱せずに作られているところは好感が持てる。セットも安っぽさが目立つが、それが返って「シンデレラ」の童話的な部分にマッチしていてそれほど悪くない。
ただ、シンデレラを演じるブランディーは歌は上手いのだが、ドレスアップしてもお世辞にもそれほどきれいになったとは言えないところが観てて辛い。随所にシンデレラのことを魅力的だという台詞や歌があるが、それが素直に伝わってこないのである。
シンデレラを黒人にしたことにも、設定に多少無理が生じさせている。例えば、意地悪な姉に黒人がいるのだが、どうして同じ黒人のシンデレラと召使の区別をつけているのか不明。シンデレラと姉の父親が違うという解釈もできるが、その辺映画の中では今ひとつはっきりしない。また、王子がガラスの靴を頼りにシンデレラを捜す展開で、シンデレラが黒人とわかっているのに白人、黒人問わず靴とぴったりの足の女性を捜すのも不自然。始めから黒人女性だけ集めて靴を履かせれば、もっと楽だったように思う。
後、よくわからないのが白人と黒人の両親でなぜ東洋人の王子様が成り立つのかという点。映画を観終わるまでずっと消化不良だった。
それにしても、主要キャストになぜこれだけ様々な人種の役者を起用させたのかが非常に気になる。これが意図的なものだったら、ぜひその理由を聞きたいところ。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。