独身男性の台所の行動の研究のために派遣された観察員と被験者の老人の交流を描いたハートフルドラマ｡

被験者と会話してはいけないという研究での規則のために､何があっても無言で監視を続けなければならない監視員のフォルケと被験者のイザックとの間の気まずい関係が何ともいえない絶妙な世界観を醸し出している｡

ただ､この作品はイザックとフォルケが規則を破って交流を深めるストーリー展開が本来見どころなのだが､フォルケは早々簡単に規則を破ってイザックとの交流を持つし､終盤もフォルケがイザックの元に再び戻るところはもっと盛り上げるべきなのにあっさりした展開で､最後もイザックが死んでしまうという悲劇的な結末なのだが感動要素が薄かった｡

それにしても､研究の被験者の監視に調査員一人だけというのは､規則を破られたら研究が停止するリスクを考えると､能率が悪い気がする｡現にフォルケは規則を破ってるし｡また映画の中にも描かれているが､調査員が風邪などの病気を患えば研究にも差し支えるわけだし､複数で監視する方が研究には絶対有利だと思うのだが｡