｢ドラえもん｣のレギュラーキャラ､ドラミちゃんの活躍を描いたアニメ映画｡

過去何作かの昔の時代を舞台にした『ドラえもん』作品全てに言えるが､過去に来ているのにドラえもんたちが結構簡単に歴史を捻じ曲げているので､何か歴史を変えてはいけないという重要性が薄くなっている気がする｡

この作品でも､セワシに頼まれて､ドラミちゃんは先祖の知能レベルを上げて､セワシの未来を変えようとするわけだし､戦国時代では様々な道具を使いまくり､その時代にはないはずの野菜まで栽培し､なおかつ村にドラミちゃんに似せたてるてる坊主を吊るす習慣まで残すというかなり歴史を捻じ曲げることしている｡子供向け作品として全てがそういう御都合主義的な方向性で統一されているのなら仕方ないと思うが､『日本誕生』では歴史を曲げようとした敵が逮捕されているだから､この場合ドラミちゃんも逮捕されかねないのではと思ってしまう｡

今までの作品では､騒動後に一応何かしらのフォローはあったが､この作品の場合､ドラミちゃんはスネ丸親子救出後は何も言わずに立ち去っているので､何かいくつもの疑問が消化不良なままで棚上げにされたような印象を受けてしまった｡

全ての疑問をいちいち突き詰めていたら､きりがないが､この作品の場合､ストーリー的な整合性がほとんど取れていないので､かなりシナリオが杜撰に感じられてしまった｡