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[コメント] ボディ・スナッチャーズ(1993/米)

自分の見知っている人が実は怪しいやつかも、という不安。これこそボディ・スナッチャーズの基本だと思うのだが…。なんだかふつうのゾンビ映画みたい。
おーい粗茶

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







疑心暗鬼の怖れを描くのであれば、抜け出すことが全く絶望的という場所より、その気にさえなれば脱出可能と思わせる場所のほうが、主人公に迷いと不安を招いて面白い。そういった意味で、軍事施設というものの閉鎖性は、サスペンス的な要素をいくつも膨らませ出来そうで、舞台としてはなかなか名案ではないかと思った。なのに、本作ではなぜか肝心の疑心暗鬼を描こうとしない。こいつは人間か?ヤツらか?とドキドキさせるシーンがほとんどない。怪しいやつは大抵最初から観客に告知されている。

また、「感情を表に出さなければ見破られない」というお約束も、相手があまりに鈍感なのでいっこうに盛り上がらない。そこそこ突っ込んだ会話を交わしながら、乗っ取り前か済みかわからないというのはかなりがっかりする。もっと知能を高くするか、あるいは知能が低いなら、逆に本能的、触覚的な部分が鋭いとかにすればよかったのに。

過去のシリーズでは、1作目の「隣人不審」を、2作目では「社会不安」に替え、その時代の背景にあった不安をうまく拾いあげていたと思う。今回のテーマが「家庭崩壊」なのか、あるいはVFXを見せることに徹した娯楽品を目指したのか?そのあたりに作り手のこだわりが感じられない。

(評価:★3)

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