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[コメント] ナイロビの蜂(2005/独=英)

レイチェル・ワイズはエッチで母性的な女の最高峰だ。
おーい粗茶

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







前半の、妻の不義を窺わせるようなミスリードが上手い。ハラハラするような情熱と行動の人だから、もしやという気になるわけだ。本来の謎を前半の謎が覆い隠す役目を担い、そして真相が明らかになることで、本来の謎が姿を見せ始めていく。そして妻の行動の謎が氷解していくにつれて、その愛の姿が現れるという構成の妙。

新薬を開発した医師を尋ねていった先で、他部族に襲撃されるエピソード。アクションシーンとしての躍動と、グローバリゼンーション国家や企業だけでなくこんな隣人たちからの暴力からも逃げ回らなければならない人々を、「どうか無事逃げ延びて欲しい」と願うばかりで、ただ黙ってみやるしかない主人公の視点は、先進国に住んでいる私の視点と重なるのだ。

ともすれば仕事やふだんの生き方の中に言葉としての意義を見つけようとして混乱する男を、観念にとらわれて浮遊しようとする男を、地面にどしりと腰をすえて、しっかりとその太股でつかまえて離さないような大地のような女。エッチなクレバスのようであり母性的な谷のふところのようでもある女をレイチェル・ワイズが見事に好演。『スターリングラード』のロシアっ娘といい、こういう力強くてかわいい女を演じると本当にいいなあ。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)パグのしっぽ[*] ホッチkiss[*] セネダ

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