[コメント] ワンダフルライフ(1998/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
映画をみないと解らないことを、以下書きますので注意。
設定自体に納得がいかないのと、作品内のロジックがわからないというのとで 評価は悪くなった。
ところどころ、感慨深いところはある。 良かったのは、母親の胎内の記憶をもとめて、 主役の女の子がお風呂につかる箇所。 記憶がいつ始まったか、考えるところ。 最後の方の雪の降るシーンなど。 ただし、映画の展開のなかで生きたシーンとはいいかねる。
記憶の曖昧さとかも、ちゃんと言及されているし、 記憶自体、夢とかわらない、といったことにも言及されている。 それなのに、一つの記憶を求めなければならない、という要請だけが されているという状況。 そういうなかで主役の若い男性は、記憶を求めるひととの 交流のうちで、幸福な人生の意味を見出していくという筋。
ただその意味も、この強引な設定が必要だとは思えない。 無意味なシーンが増幅して 肥大化したような印象をもってしまう。
監督は、映画作り=アイデンティティといったことをおもいつつつくったの かもしれないけど、 記憶にこんなに無理矢理接することを思うと。 何だか、寂しくなってしまった。
[追記] 「設定」について。面白い状況を想定してファンタジーを拡げる、という意味では、死者の言葉による映画作りってのも、面白いのかもしれない。 でも、どうしてこんな状況を設定するのか、そのことで何が表現しうるのか、 というつめがよわくては、設定が設定のための設定に終始してしまう。 そういう意味での設定への批判です。
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