[コメント] 祇園の姉妹(1936/日)
登場人物ひとりひとりがまったく憎めないのがいい。祇園周辺の雰囲気も
あいまって、生きた物語が象徴化されている。
68分。この短い時間に、実に充実した世界がつくられている。
姉と妹の生き様の違いが、全体のメインになる。その点すこし オースティンの小説sense and sensibilityをおもいださせるが、 内容はもちろん全然ちがう。
にしても、登場人物ひとりひとり憎めない。 男性達にせよ、偉そうにしても 実は単純なエロ爺だったり、財産をなくしてもひょうひょうと していたり。オースティンをおもいだした理由のひとつ。
もちろん時代と価値観の変化を山田五十鈴演じる妹が象徴化している のだけれども、どこか今のおんなのこと通じ合うものがあるように おもう。
人物どうしのギャップ、おとことおんなの理屈のちがいが、 女性達のもつ強い理念を強調し、彼女たちの 美しさと悲劇が浮きだたされる、という手法。おみごと。
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