[コメント] マイノリティ・リポート(2002/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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幼稚だとか、アトラクション的だ、とかはとりあえず置いといて…なんじゃこりゃ?なのです。
あんなに技術が発達してて、全身で操作しなきゃならんコンピューターってどうよ?もうそれだけで、21世紀に生きる者としては萎えるのです。あっ、スピルバーグはネバーランドに住むピーターパンだからいいのね。ハイハイ。
ディックの描く近未来には、もっと漠然としていて、それでいて確実な、「不安」があったと思うのです。
見てはいけないものと、なんとなく知りつつ見てしまった、触れてはいけないものを、なんとなく知りつつ触れてしまった。そっとしておくべきものなのに、そっとしておけない、未来の力。そこにある「不安」。その「不安」の向こう側にある「恐怖」。それがディックだったのではないかと。
それがどうでしょう、スピルバーグはその「不安」を単なる「恐怖」に変換してしまった。「不安」をかっ飛ばして、「恐怖」だけを描いてしまった。しかも、安っぽい勧善懲悪を振りかざして、笑える「恐怖」に。それも、コンピューター操るトム君よろしく全身汗まみれで。
「こうなることになってます」とバーンと大風呂敷を広げられたUSJのアトラクションみたいな世界で、「野望だ!策略だ!どんでん返しだ!」と言われたところで、んなの安っぽいお化け屋敷みたいです。ハラハラドキドキものなら、ディック以外でやっとくれ、ってのが正直、ファン心理。
とかなんとか言いながら、あの縦横無尽に駆けめぐる車には乗ってみたいかなと。まぁ、あれも三半規管がモタないでしょうけど。
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