刑務所で開かれる囚人の舞台劇を利用して脱獄を企む囚人たちのコメディ映画｡

登場人物が多いにもかかわらず､個々のキャラの個性づけ､役割がしっかりと位置づけられており､キャラが把握しやすく､行動にも説得力がある｡ドタバタ･コメディのノリが最後まで貫かれており､テンポいい｡ストーリー的にも観ている側にほぼ予測どおりな展開を見せるのだが､それが逆に思い通りの展開になってくれる心地よさを与えてくれている｡

不満な点しては､最後に看守を出し抜く別ルートでの脱獄が映像の中に伏線として残されていなかったので､やや唐突な感じがした｡また､この刑務所の囚人たちは人がよさそうな人ばかりで､雰囲気もコミカルに描かれているため､囚人の自殺という重い演出を使うのなら､もう少し看守のの囚人への抑圧による緊張感を出してもらいたかった｡